Skip Navigate Section

Contents

とある自伝、実体験、アンビリーバボー。

夜。
二階の自室で灯りも点けず、ノーパソをいじっていた。
タッチパネル液晶で、キーボード・マウスレスモデル。


・・・・・・・・

何となく異常な空気感。
暖かいのに、冷たい空気に触れている様な肌感覚がある。

・・・・・・・・

“照明を点けずに何かする”事は、俺はない。
そういう感覚が無い。
照明を消す時は、身体を休める時。

・・・の筈だが、そういう気分だったのだろう。

・・・・・・・・

ふと、貰ったゲームのファイルを確認しようと思った。猟奇的なジャンルのノベルゲーム。

・・・・・・・・

デスクトップに在るフォルダを開き、何の気なしにアイコンをタッチした。
その途端、いくつか有るファイルアイコン全てが拡大表示され、バックが薄暗くなった。

「?」
更に何の気なしに真ん中のアイコンをタッチすると、それ以外のアイコンが画面に溶け込んでいく。画面全体が暗くなっていく。どうやらインストールしている?

・・・・・・・・

そんなインストール風景って、あったか?

・・・・・・・・

やがて、ひとつのアイコンの画像を残し、画面はブラックアウト。
少しして、画面下にモノローグが流れ始めた。
インストールから作品の演出?

というか、ホラーものでよくある様な、“ヤバイ”モノに手を出してしまった感じ。ここから日常が崩れる感じ。



ふと窓の外に不自然な灯りが動いた。


ウチの2階の東側は家幅いっぱいにベランダが在り、東側の3つの部屋がベランダで繋がっている。眼下には地主の庭が広がり、まるで自分の庭の様ないい眺めだ。庭の向かって右には狭い空き地・駐車場・路地が隣接している。

・・・・・・・・

微妙な違和感が有る。
自分の知っている風景と、どこか違う気がする。

・・・・・・・・

男が居た。
塀の際に脚立を置き、反対側の路地を覗いている。そして通りがかった人をLEDライトで照らしていた。その薄暗い灯りに照らされた人は驚き、少し恐怖を感じた様子で、顔をしかめて足早に去って行った。
男は左手に持っている物に向かって喋り始めた。電話している様にも、録音している様にも聴こえる喋り口調。今の状況、心境、思想?などを語っている様だ。

夜も遅く、辺りは静か。
秩父駅の近くとはいえ、既に街は眠っている。

俺はベランダの窓を開け、
「うるせえぞ」
と声を掛けた。

・・・・・・・・

俺はどちらかというと、こっそり通報して高見の見物を決め込み、その状況をあとで笑い話にする男だ。

何故、声を掛けた?

・・・・・・・・

男はこちらを見て止まった。

間を置いて、また左手の物に喋り始めた。



正義の行動を邪魔された。自分は崇高なる思想の下に行動を起こす、という様な事を言い終わると、こっちに向かって歩き出した。


・・・!!

ヤバイ、と感じた。
とてつもなく危険な予感。

瞬時に想像した。
一階に居る父、母、祖父、祖母の血まみれの姿を。

想像すると同時にケータイを手にした。
110番を押した。
かつて無い動揺と興奮で1101とダイヤルしてしまう。
そうこうしてるうちに男はベランダ下まで迫り、玄関の方へ進路を取った。
俺は走った。今度こそ110をダイヤルした。
が、数回のコールの後、プツっと切れた。

・・・・・・!!
頭は回転した。

刃物ならば問題無い。相手を上回るリーチで先制攻撃を掛ければいいだけだ。
ナイフや包丁が関の山、布団はたきやフライパンで十分対抗出来る。刀を持っていたとしても部屋を繋ぐ扉周辺で足止めれば振り回せない。

問題は銃だ。出会い頭に抜けば叩き落とすまでいかなくとも自分から銃口を逸らせるだろう。しかし端から狙いを着けてきたらまずい。リボルバーなら、テーブルや家電、鍋などを盾にすれば弾切れまで凌げるかも知れないが、オートで乱射されたら・・・!

2~3秒でそんな事を考え、俺は階段に辿り着いた!
スポンサーサイト